雨にも負けず/ Ame nimo makezu
宮沢賢治
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしは なりたい
english/español
日本で東北地方大地震が起きた後、台湾・香港の人々がこの宮沢賢治の詩をテレビで日本語で歌って義援金を呼びかけてくれました。集まった義援金の金額にも驚きましたがそれ以上に驚いたのは台湾・香港の方々の行動力と優しさです。日本人が大切にしてきたこの詩をよくぞこの時に歌ってくれました。心から感謝します。謝謝台湾。「人を大切にし、自分だけがよければいいと思わない人間でい続けたい」、今沢山の人たちがこの思いでいます。がんばろう日本、一日も早い復興をめざして。
Taiwan's song for Japan
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