Wa Kei Sei Jaku (harmony, respect, purity and tranquillity) are the four principles of Chanoyu as left by tea master Sen Rikyu (1522-1591).
茶には「和」という根本理念が流れています。それは、茶人たるものは腹を立てないとか、仲良くするべきだとかいった表面的なことのみならず、己 の心の和、道具の取り合わせの和、席中相客の和が合わさってこそ、心の乱れのない点前ができるのです。かつて聖徳太子の十七条憲法の冒頭において「和を以 て貴しとなす」と唱えられています。また、人の心の和とは禅の悟りの境地を表すものでしょう。この普遍なる価値を有する和は、茶の修道においても、主客、 師弟のそれぞれの立場で真に求められるものです。
敬
人を敬い、自らを慎むこと。お互いが慎みあい、敬い合うことがなければ、どんな茶事や茶会でも自己満足で終わってしまいます。また、道具への敬 の念、弟子から師へだけでなく師から弟子への敬の念、仕え合いながら自然に「敬」の心を育んでいきたいものです。上へへつらうことなく、下には丁重に接す ることで、敬し敬される関係が生まれるのです。
清
清らかであること。例えば、茶室に入る前には、必ず手水鉢で手を洗い口を漱ぎますが、それは単に目に見える汚れを洗い流すばかりではなく、手水 の水には心身を清めるという意味が込められているのです。また、神社へ参拝する前に手水を使うことからも、手水で清めるほどの神聖な場としての茶室という 位置づけが示されているといえます。日々の掃除を怠らず、身体を洗い清めるということは、同時に内からも清めているのだという気持ちを大切にしましょう。
寂
寂、すなわち静かでなにものにも乱されることがない不動心を表しています。客は静かに心を落ち着けて席入りし、床の前に進む。軸を拝見しそこに 書かれた語によって心を静め、香をかぎ花を愛で、釜の松風を聴く。そして感謝を込めてお茶をいただく。こうした茶の実践を積み重ねていくことによって自然 の中にとけ込み自然を見つめ、自分をも深く見つめることができます。まさに自然と同化することによって寂の心境に至るのです。心に不動の精神を持っていれ ば、どんなことにもゆとりを持ってやっていけるという心の大きさが生まれます。そうしたゆとりの中にこそ、茶の道が奥深く開けてゆくことでしょう。
七則
茶は服のよきように点て、
炭は湯に沸くように置き、
冬は暖に夏は涼しく、
花は野の花のように生け、
刻限は早めに、
降らずとも雨の用意、
相客に心せよ
「茶道裏千家淡交会 会員のしおり」より抜粋
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